FUJI ROCK FESTIVAL '19 のおもひで 1日目現地参加 / 2・3日目配信鑑賞
今年は念願かなって現地に行くことができた。初参加。予算,日程,キャンプ道具を持ってない等の都合で1日目のみの参加。生涯この日を忘れることはないだろうってくらい満足しています。
ということで現地で見れた+配信で見たアーティストで印象に残ったライブについて感想書いていきます。ついでにYoutubeのライブ動画を貼って感傷に浸ります。
- 1日目 -
参加者のエルレTシャツの着用率がめちゃくちゃ高かった1日目。ちなみに僕はJOY DIVISIONのUnknown Presures Tシャツ着用で参加した。
中村佳穂
到着早々,物販に目もくれず一直線にField of Heavenを目指した。ちょっと早めに着いたおおかげでかなり前の方で見ることができた。現地にいたときはわからなかったが,会場は満員だったそうな。
昨年発表したAINOU以降,ますます注目の集まる中村佳穂。ライブでは即興を交えたパフォーマンスを披露し,バンドとしての完成度も非常に高い演奏だった。Cinraでのインタビューでも言っていたが,低音の響きを意識したサウンドにソウルフルな歌声がきれいに乗り,非常に耳福な時間だった。
Shame
イギリスの若手バンド。サウンドとしては90 ~ 00年代のオルタナ,ブリティッシュ・ロックを経由したJoy Divisionという感じ。1日目本命の一組でもあった。ちなみに僕とこのバンドとの出会いは青山ブックセンター本店での店内BGMである。(なぜこのチョイスだったのかは不明)
演奏は荒々しく,勢いがあり,若さみなぎる演奏だった。Voのパフォーマンスはどことなくフレディ・マーキュリーを思わせた。モッシュの指示してたっぽいけど,回んなくてゴメンね。あと,ベースが暴れすぎてマイクスタンドを倒しまくってたのが微笑ましかった。
Saburina Cloudio
Shameの熱気から一転,リラックスムード漂うSabrina Cloudioへ。セクシーな歌声,安定感のあるバンド演奏はCDとまったく遜色なかった。会場後ろの方で座りながら鑑賞,ゆっくり休むことができた。
Vennue Vincent
アコギ x 2 + パーカッション + タップダンスで構成される4人組音楽グループ。ジャンルとしてはジプシー系ミュージックが近い。特筆すべきはタップダンサーの存在。タップ音を加工してドラムのキック音のように聞かせたり,ギター,パーカッションとの掛け合いはすごく斬新であり,聴くだけでなくヴィジュアル的にも楽しめた。
写真・映像撮影OK,ネットでガンガン拡散してくださいと言われたが,すいません,撮ってませんでした・・・。
Janelle Monáe
1日目のベストアクト。後ろの方で座って見ようかと思ったが,あまりの熱量に思わず前へ向かってしまった。JB,マイケル,そしてプリンスといった黒人ミュージシャンの先人たちへ敬意を最大限払いつつ,オリジナリティをパワフルに発揮していた。紫のスモークを炊きながらパープル・レインのソロを聞いたときには涙が流れた。また,発するメッセージも力強く,現代アメリカの最先端を行くアーティストの凄まじさを体験できた。
Mitski
エルレを完全スルーしレッドマーキー内で待機。今年9月以降,ライブ活動をしばらく休止することを告知しているため,日本での公演もしばらくはなさそう。
今回のステージでは,テーブルと椅子を使ってのコンセプチュアル・アートのようなパフォーマンスで魅せた。お立ち台のようにテーブルに乗り,セクシーポーズを決めたり,寝そべってリズムに合わせて足をプラプラさせる様はなかなかシュールだった。
Thom Yorke Tomorrow's Modern Boxes
早めに行かないと入場規制がかかりそうだったので,Chemical Brothersを泣く泣く諦め(といっても5分くらいは立ち止まって聴いてた),ホワイトステージへと向かった。
トム・ヨークは全身真っ黒の革ジャンスタイルで登場(革ジャンは暑くて途中で脱いでた)。ロン毛,ヒゲ面と相まってどこかのメタルバンドのような出で立ちで,かつての繊細な青年姿は感じさせなかった。僕がこのステージで何より感動したのは低音の響きだ。シンセ,E.Bassでの響きの違い,そして音域の違いで,体やステージの振動が全く異なるのはすごく新しい体験だった。ダブルアンコールにも答えてくれて,Suspiriaの弾き語りで幕を閉じた。
BIG YUKI
ホワイトステージからの移動に伴い,残念ながら終盤しか聴けず。それでもバンドの超絶テクニックをしっかり堪能できた。次回ワンマンがあるなら行きます。
YAEJI / KAYTRANADA / KID FRESINO
この夜のラインナップはなかなかヤバいメンツなのだが,既に疲れと眠気が限界を迎えており,観客が多くレッドマーキー内に入ることもできなかったため,後ろの林の中に陣取り,小雨に打たれ,白目を剥きながら聴いていた。KID FRESINOなんかは豪華客演陣を迎えたパフォーマンスをしてたのでちゃんと聴いとけばよかったなと後悔している・・・
Nicola Cruz
このあたりからは客も捌けてきたのでテント内に入ることができた。爆音で鳴らされるアンデス・ステップ(彼の提唱するエレクトロミュージック),そしてフラッシュライトと共に流される電子ドラッグ的な映像により,早朝4時のレッドマーキー内は異空間と化していた。
- 2日目 -
朝のシャトルバスで帰路につき,家に帰り,バンドの練習を済ませて飯を食いつつYoutubeで視聴。 現地で聴きたかったなー。
GEZAN
ライブの凄まじさやアルバムのできの良さから最近よく名前を聞くことが多くなったGEZAN。全感覚祭の主催者でもある。日本のアンダーグラウンドシーンから出てきたキワモノ的なバンドだと思ったが,Vo. マヒトゥ・ザ・ピーポーの声に慣れてしまえば案外聴きやすい。BODY ODDでは邦楽界のヤベーやつ大集合って感じでサイコーだった。
BODY ODD[2019/7/27]
— 𝔊𝔈ℨ𝔄𝔑 (@gezan_official) July 27, 2019
GEZAN
at FUJIROCK WHITE STAGE
CAMPANELLA
LOSS (ENDON)
小林(the NOVEMBERS)
山田みどり(the hatch)
蛯名 (discharming man)
鎮座DOPENESS pic.twitter.com/2aU7BwCJsY
銀杏BOYZ
2日目のベストアクト。俳優としてすっかりお茶の間にも知られる存在となった峯田和伸だが,やはり本業はロックミュージシャンなのだ。口から泡を吹き,マイクを涎まみれにしながら全力で歌う様は滑稽であると同時に涙なしには見れない。とっくに過ぎ去ってしまった青春が一瞬だけ戻ってくる。東北訛りのMCからも峯田の優しさが存分に伝わった。
何でも肯定してくれるような銀杏BOYZ峯田和伸このMC、鳥肌だった pic.twitter.com/n5taEafEoE
— 深佐 (@__HanaNoYouni) July 27, 2019
Americanfootball
昨年末に発表された3rdも素晴らしかったアメフト。繊細なアルペジオ,安定感のあるリズムは聞く人の心を穏やかにしてくれる。雨の降る中,ライトアップされた彼らの演奏はとても暖かく,幻想的だった。
- 3日目 -
HIATUS KAIYOTE
なんだその格好は・・・ビジュアルはともかく,バンドのテクニカルな演奏,そしてグルーヴは本当に素晴らしい。Nai Palm着用のプリンブーツは¥99,000で買えるそうです。
その他
祭でもやってるのかってくらい騒がしいエレベーターが降りてくるなーと思ったら、まさかのHiatus Kaiyoteチームで、なぜかキュアーTシャツをいじられた。その後1階に着くまでずっと祭だった
— THE NOVEMBERS (@THE_NOVEMBERS) July 28, 2019
Superfly
相変わらずの声量,安定感,そして聴き馴染みのある曲を苗場の大自然の中で聴くのは素晴らしいことだ(在宅だけど)
KOHH
映像にヴィジュアルエフェクトをかけてのライブ配信。 日本語ラップのいいところは,しっかりとリリックを堪能できるところだと思っている。言葉自体は単純だが,だからこそ発しているパワーは凄まじく,聞き手の胸に突き刺さる。
平沢進 + 会人
平沢進師匠,まさかのフジロック参戦 & ライブ配信。今回はトリプルギターという,フジ "ロック" にふさわしい編成,テスラコイルやレーザーハープによるビジュアルエフェクト,そして電波すぎないセトリでフェス対応として完璧だった。ギター嫌いを公言しているくせにギターソロはめちゃくちゃカッコいい。普段のTwitter上での発言含め,この御方は本当にエンターテイナーなのだなと実感する。
ところで血縁者がフジロックに来るというので、ああ、また着流しにゾウリみたいなカッコで来るんじゃないかと思い、「こちら豪雨、川にドザエモン多数」と通達したら、
— Susumu Hirasawa (@hirasawa) July 30, 2019
「ポンチョおよびトレッキングシューズ所持」
と返って来た。
プロやん。
The Cure
3日目のベスト。今回はベースのサイモンが参加できず,彼の息子のエデンが急遽参加したが,その場しのぎ感を全く感じさせないグルーブを見せていた。セットリストはまさにThe Cureのベスト盤とでもいうべき内容で,このバンドが後続のミュージシャン,そして日本の音楽シーンにいかに影響を与えていたのかがよくわかる。ロバート・スミスが「バンドの調子がとてもいい」と言っていたように,演奏,そしてロバート・スミスの声は全く衰えを感じさせなかった。来年はニューアルバムのリリースと日本ツアーをやりたいと言っていたので,今からとても楽しみである。
おわりに
音楽はいいものだ。そしてCDで聴くよりライブで聞くほうが何倍もいい。今回のフジロックでは今まで知らなかったアーティストを知ることができたり,CDでしか聴けなかったアーティストのライブを見ることができて本当に幸福な時間を過ごすことができた。また,昨年からは配信でも楽しめるようになったのが本当にありがたい。また,会場でベストを尽くしていたスタッフの皆様にも感謝したい。
今回は一人参加でテント泊でもないので,荷物が邪魔でしょうがなかった・・・。熱中症対策や雨対策のために過剰に荷造りしてしまったのも失敗だった。反省。来年は2日以上参加のためにテント買おうと思います。